人気ブログランキング | 話題のタグを見る


私の住んでいる街の、市民に愛され親しまれている「朝日山」の2文字をいただきタイトル名に冠しました


by sgk511

お稽古風景(31)…「茶通箱」【風炉】  

茶通箱
茶通箱は2種の濃茶を差し上げるときの点前。四ヶ伝でも、茶通箱は「人間関係に重きを置いた茶」、それ以外は「道具本位の茶」。

準備
1、二重棚(望ましい)の中板に四滴茶入(棗以外がよい)を荘り、地板に水指(塗蓋
  でもOK)を荘る。
2、箱の向こうに、大津袋に入れた棗を正面を向うに向けて入れ、手前に通常の茶
  入を入れ、蓋をして棚前に持ち出す。
3、蓋を左に置き、茶入を右に出す。
4、棗を、右手親指が向うにして逆手に持ち、180度回して正面を前に向けて箱の
  中に入れ、蓋をして天板中央に荘る。  
5、茶入を棚正前に荘る。
6、楽茶碗に茶巾、茶筅、茶杓を仕組む。
7、菓子は一種。
お稽古風景(31)…「茶通箱」【風炉】  _d0161739_145478.jpg

点前
先ずは普通通りに濃茶を練る
茶道口で、茶碗を膝前に置き、手はつかずに襖を開け、居前へ進み、茶碗を勝手付に仮置きし、茶入と茶碗を水指前に置き合せる。建水を持ち出し居前に坐り、柄杓を構え、蓋置を定座に出し、柄杓を引いて総礼。
以下普通通りに濃茶を練り、定座に出し、客は飲む。茶銘、詰、菓子の問答は常と同じ。

仕服は茶通箱の左に置く
脱がせた茶入の仕服は、縒の左右を持って形を整え、左に返して左手に乗せ、右手で茶通箱の左に置く。
お稽古風景(31)…「茶通箱」【風炉】  _d0161739_1522845.jpg

茶巾帛紗で、今一種!
詰の飲み切りで客付から居前に戻り、茶巾を絞り、たたみ換えて釜蓋に乗せる。茶巾のたたみ換えは、洗い茶巾のように茶巾絞りがある場合と、例えば、上の点前の「大円の真」などのように茶巾絞りがない場合とでは、たたみ換え方が違うので正しく理解しておく必要がある。
お稽古風景(31)…「茶通箱」【風炉】  _d0161739_15263512.jpg

帛紗を腰に付ける
茶巾をたたみ換えたら、水は注さずに、帛紗を腰に付ける。正客 「今一種のお茶を」 と所望する(茶巾帛紗で、今一種)と覚えておくとよい。
お稽古風景(31)…「茶通箱」【風炉】  _d0161739_15411425.jpg

天板の茶通箱を膝前に置き、中の棗を出す
棚正前を向き、左・右と箱を持って居前に戻り、左回しで箱を90度回し、膝前に置く。箱の蓋を手前に立て掛け、箱に左手を添えて右4指が左側に来るように棗を取り出し、箱の向こう側に置く(棗の正面が手前になる)
お稽古風景(31)…「茶通箱」【風炉】  _d0161739_1553757.jpg

脱がせた大津袋は、天板上の仕服に重ねて置く
箱の蓋を閉め、右・左ととり、90度右回しで元に戻し、棚正前を向き天板に戻す。居前に戻り、棗を膝前に置き、大津袋を脱がせて棗は膝前、袋は右手で天板上の仕服に重ねる。
お稽古風景(31)…「茶通箱」【風炉】  _d0161739_1612596.jpg

箱の持ち方、取り扱い方
箱を持つときは、箱の中に物がある場合は、左手が先に出てやや遅れて右手が出る。中身がない場合はその逆 「在る左空右」(あるさからう) と覚えるとよい。なお箱を持った後、左親指を上げ、右親指を上げ、左4指を下げ、右4指を下げるなど、少々複雑な取り扱いをするので正しく理解しておくことが大切。

ちり打ちの音「ポン」でお茶碗を返す
帛紗を建水の上でちり打ちし、草に捌き棗を清め、建水の肩に置き、帛紗を腰に付ける(ポンでお茶碗を返すと覚えておくとよい)
お稽古風景(31)…「茶通箱」【風炉】  _d0161739_1620682.jpg

総礼、茶碗の問いに答える
ちり打ちの音で茶碗が返るので、茶碗が返ったら取り込み、正前に置き総礼。茶碗の問いに答える。
お稽古風景(31)…「茶通箱」【風炉】  _d0161739_16255665.jpg

茶杓、棗を取り、茶を3杓すくい出し、残りを掻き出す
茶碗に湯を入れ小ゆすぎ、もう一度湯を入れ、捨て、茶巾で拭いて正前に置く。右手で茶杓、左手で棗を取り、茶を3杓すくい出し、残りをかき出す。
お稽古風景(31)…「茶通箱」【風炉】  _d0161739_16334196.jpg

濃茶を練り(二種目の茶)、客に出す
棗の口を指で清め、元に戻す(建水の肩)。茶をさばき、濃茶を練り、客に出す。
お稽古風景(31)…「茶通箱」【風炉】  _d0161739_16392799.jpg

茶入、仕服の拝見を請われ、茶入を膝前に取り込む
服加減を聞き、居前のままで茶銘、詰を答える。詰の飲み切りで釜に水一杓さし、柄杓を引くと、正客より 「先の茶入、仕服の拝見」 を請われる。受け礼し、茶杓を水指の上、茶入を膝前に取り込む。
お稽古風景(31)…「茶通箱」【風炉】  _d0161739_21364137.jpg

茶杓を棗の上に乗せる
左手で棗を茶入のあったところに置き、茶杓を棗の上に乗せる。
お稽古風景(31)…「茶通箱」【風炉】  _d0161739_21405516.jpg

茶入、仕服を拝見に出す
茶入を清めて拝見に出し、つづいて、天板上の仕服、大津袋を一緒にとって、大津袋を天板の元の位置に戻し、仕服を茶入の隣に出す。
お稽古風景(31)…「茶通箱」【風炉】  _d0161739_21474165.jpg

水指の蓋をしたとき、正客より 「後の棗、茶杓、大津袋、箱とも拝見を」、と請われる
正客は詰と出会いで茶碗を返し、茶入、仕服を持ち帰る。亭主は、茶碗を取り込んで総礼。普通に仕舞にかかり、茶筅通しする頃、客は茶入、仕服の拝見をし詰が預かる。亭主が、水指の蓋をしたとき、正客より 「後の棗、茶杓、大津袋、箱とも拝見を」、と請われる。
お稽古風景(31)…「茶通箱」【風炉】  _d0161739_21583696.jpg

四器を、以下のように拝見に出す
柄杓、蓋置を建水に片付け、茶碗を勝手付に置換え、棗を持って客付にまわり、帛紗で清めて定座に出す。茶杓、大津袋も常のように棗の隣に拝見に出し、さらに、茶通箱も大津袋の右側に出す。
お稽古風景(31)…「茶通箱」【風炉】  _d0161739_227311.jpg

四滴茶入を天板上に移し、柄杓、蓋置を中の棚に荘る
居前に戻り、四滴茶入を天板上に移し、柄杓、蓋置を中の棚に荘り、建水を水屋に下げる。
お稽古風景(31)…「茶通箱」【風炉】  _d0161739_22235064.jpg

茶碗を下げるころ、定座に茶入、仕服が返されている
建水につづき、茶碗を下げるときには、正客と詰は出会いで茶入、仕服を返し四器を引いているので、茶入、仕服は写真のように出された位置に返された状態になっている。なお、茶碗を下げると、茶入、仕服を一礼して挨拶せずに下げる。
お稽古風景(31)…「茶通箱」【風炉】  _d0161739_22344923.jpg

拝見の問答
水指に水を注ぎ、茶道口を閉める。客は道具を拝見する。拝見済んで道具が返ったら、出て道具の問いに答える。
お稽古風景(31)…「茶通箱」【風炉】  _d0161739_22423510.jpg

棗を茶通箱に入れる
箱を膝前に取り込み、蓋を右に置き、左手を添えて右手で棗を箱に入れる。
お稽古風景(31)…「茶通箱」【風炉】  _d0161739_22581957.jpg

蓋上に茶杓、大津服を乗せて下がる
蓋を閉め、蓋上に茶杓を斜めに乗せ、その上に大津袋を乗せて持ち帰り、茶道口で総礼し、襖を閉めて終る
お稽古風景(31)…「茶通箱」【風炉】  _d0161739_22594215.jpg

by sgk511 | 2013-10-13 14:32 | 茶道 お稽古風景 | Comments(6)
Commented at 2015-08-04 12:29 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2018-04-18 16:56 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by sgk511 at 2018-04-22 21:33
ご覧いただきありがとうございます。仰るとおり、「在(ある)・左(さ)・空(から)・右(う)」ですから、拝見済んで最後に箱を持ち帰るときは左手が先に出ます。ただし、その前に道具の問答が済んで箱を膝前に取り込むときは中が空ですから右手が先ですね。近々炉の点前も投稿を予定していますので、またよろしくお願いいたします。
Commented at 2018-04-24 17:37 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2022-07-31 14:31 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by sgk511 at 2022-08-04 12:31
ご覧いただきありがとうございます。私の教室のお稽古風景ということで紹介しておりますので、必ずしも正しくない部分もあろうかと思いますので、あくまでも参考ということでご覧いただければ幸いです。

さて、お申し出の件ですが、四ヶ伝以上は口伝ということになっておりますので、これまで投稿してきたことについても随分悩みました。しかし前段で記しました通り、「お稽古風景」ということで、自分の心の中を整理し投稿に踏み切りました。

しかし、さらに上の点前となると、流石に心が痛みますので、二の足を踏まざるを得ない思いで、誠に申し訳ありませんがご要望にお応えかねます。お近くであれば是非遊びに来ていただいて、いろいろお話させていただければ大変うれしいのですが・・・。今後ともよろしくお願いいたします。

カテゴリ

全体
茶道 お稽古風景
茶道 茶事・初釜
茶道 篠笛とお茶の会
茶道 国際交流
茶道 うれしい知らせ
茶道 研究会千家講師訓
茶道 その他
お菓子の部屋
お客様
花・果物
旅行
ぶらりお出かけ
日曜大工
未分類

以前の記事

2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 09月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 01月
2020年 11月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 10月
2018年 08月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 06月
2010年 05月

フォロー中のブログ

朝日茶道教室2

最新のコメント

> olive07kさん..
by sgk511 at 11:47
ご覧いただきありがとうご..
by sgk511 at 12:31
ご覧いただきありがとうご..
by sgk511 at 16:54
風炉逆勝手のお稽古風景を..
by 郡司紀美子 at 05:48
> ちいたさん ご指摘..
by sgk511 at 23:04
> nabochaさん ..
by sgk511 at 23:03
お休みの日にでも、竹原へ..
by sgk511 at 09:44
お返事ありがとうございま..
by 千代満 at 09:14
私は広島県竹原市です。広..
by sgk511 at 16:56
金沢より、広島に引越の為..
by 千代満 at 14:54

メモ帳

最新のトラックバック

ライフログ

検索

タグ

その他のジャンル

ブログパーツ

最新の記事

最後の投稿
at 2023-01-30 20:19
お稽古風景(71) 2023..
at 2023-01-15 22:09
お稽古風景(70) 2023..
at 2023-01-11 20:25
初詣 2023元旦
at 2023-01-01 18:03
お稽古風景(69) 仲良し3..
at 2022-12-31 21:10

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧